受賞者インタビュー

第19回 金賞(大賞)
受賞作品「 普通じゃない 」

藤川 諒子さん
徳島県立富岡東高等学校3年


【藤川 諒子さんコメント】

《NHK盛岡放送局佐々木芳史アナウンサーによるインタビュー》

佐)藤川さんは昨年の銀賞に続いての金賞受賞ですが、今のお気持ちはいかがですか。

藤)うれしいです。

佐)今回はどんな気持ちで作品を書かれましたか。
藤)自分がみんなとは違うかなって思っている様な子へ向けて、勇気を与えれればいいなと思って書きました。

佐)普通じゃないという悩みを相談したときに、「風が起こせる」っていう…どんな事なんだろうと興味を引き付けられましたが、あの発想はどういう視点からきましたか。
藤)自分が小学生のころ実際にペン回しを練習したことがあり、授業中にペン回しをした時に、風とか起こせたらいいなとふっと思い、そのままアイデアを使いました。

佐)最初、僕だけがもしかしたら何もできない普通じゃない人間かもしれないというところから、自分にも特殊能力があってそういう色んな普通じゃない人がいるという発想はどういうところから出てきましたか。
藤)途中まで書いて、ラストの部分は中々書けなくて悩んだのですが、やっぱり僕も能力がないよりは、能力があってみんな違う展開にしたほうがいいかなと思いそうしました。

佐)これからどんな作品を書いていきたいですか。
藤)いろいろなジャンルの作品を書いていきたいです。




地元岩手県立花巻北高等学校合唱部の皆さんによるパフォーマンス(賢治作品)


NHK盛岡放送局佐々木芳史アナウンサーが司会を務めてくださいました


上田花巻市長よりお祝いのことば




佐々木アナウンサーから受賞者へのインタビュー


花巻北高等学校生徒による大賞作品の朗読


受賞者記念撮影
左から:大城涼佳さん(沖縄県立小禄高等学校)、 廣見結菜さん(広島県 福山暁の星女子高等学校)、 藤川さん、 梅村琴音さん(岩手県立一関第一高等学校)、 岡本沙慧可さん(山口県 梅光学院高等学校)


ご来賓・ご出席の皆様での記念撮影

〜賢治のまちから〜第19回全国高校生童話大賞(富士大学・花巻市・花巻市教育委員会主催)の表彰式が、2019年12月14日(土)になはんプラザ(花巻駅前)で行われました。

表彰式には金賞・銀賞受賞者の4名と、銅賞を受賞した岩手県の1名をお招きしました。 会場には受賞者のご家族、選考委員や花巻市・本学の職員などが出席し、一般の方々も多数ご来場いただきました。

岡田実行委員長のあいさつと、選考委員を代表して夏井敬雄先生から講評を頂いたあと、受賞者には、岡田実行委員長と大久保嘉二NHK盛岡放送局長から、表彰楯とトロフィー、記念品が贈られました。  続いて上田東一花巻市長から受賞者へのお祝いの言葉をいただきました。その後、佐々木芳史アナウンサーによるインタビュー形式で、それぞれの受賞者の方から作品のことなどについてお話をいただきました。

今回の表彰式では、開式前に地元岩手県立花巻北高等学校合唱部の皆さんが、賢治祭で披露した「耕母黄昏」、「剣舞の歌」、「月夜のでんしんばしら」の3曲を披露してくださいました。
表彰後には、同じく花巻北高校放送部の皆さんが金賞の朗読を披露し表彰式を飾ってくださいました。

花巻市は、童話作家である宮沢賢治の生誕の地です。このまちから全国の高校生に“童話”という自由な表現の場を提供する「全国高校生童話大賞」を企画し19回目となる今回は、全国から725篇(高校数:192校)もの作品が寄せられ、金・銀賞のほか銅賞(佳作)7作品が入賞となりました。

作品講評

■石野 晶・・・・・
普通じゃない力を手にしてしまって、もう学校に行けないと悩む友人のために、一緒に悩んだり解決策を考えたりする主人公の姿に好感が持てます。正史がどうなるのかと読み進めていくと、実は他の子達もそれぞれ不思議な力を持っているという意外な展開に。ここで普通じゃないというタイトルが効いてきます。普通って何だろうと考えさせられる話でした。

■牛崎敏哉・・・・・
幼なじみの正史は、なんと鉛筆を回すと風を起こせるという。その能力が巻き起こす大事件かと思いきや、予想外のどんでん返し。登場人物の心理描写が丁寧で、「普通じゃない」のテーマにせまる緩急の展開が見事。前回の優秀賞とはまったく異なる作風での大賞、おめでとう。

■夏井 敬雄・・・・・
「学校に行けない」という親友の深刻な言葉。しかし、これは「風を起こせる」という意外な悩みの告白でした。冒頭の「暗」から「明」へ展開はこの物語の明るさを一層引き立てています。「ピーピー」「びしょびしょ」「バサバサ」「ばわっ」という擬音語・擬態語も効果的です。誰もが皆、不思議な力を持っているというフィクションが、視点を変えると事実のような気もしてきます。作中の人物が生き生きと描かれ、特にも南雲先生には私も憧れました。現実から不思議な世界に入っていく話が多い中にあって、現実そのものが実は不思議なことに満ちていて、それを笑い飛ばす主人公の明るさが痛快でした。

■やえがしなおこ・・・・・
主人公の幼なじみ正史は、指先のペン回しによって、風が起こせるようになったという。異常な能力を身につけた友を見守る話かと思いきや、後半は思いがけない発想で展開する。普通であること、異常であることの本質に思い至る展開は見事。正史が風を起こしてみせる場面の描写もうまい。昨年の銀賞に続く受賞、おめでとうございます。

金賞(大賞)受賞作品
『普通じゃない』(受賞作品ライブラリーへ)